短答本試験、お疲れさまでした

質問について

ゆうしゃ

特許155条のこれポン3に関してです。

155条3項の規定による1群の請求項毎にした訂正審判の取り下げができないのは、一部の請求項の訂正が認められた場合、訂正後の請求項の中身が当初の関係性を失う可能性があるためなので理解できますが、

2項について、訂正審判が認められないのはどのような理由・趣旨からでしょうか。

無効審判が認められる理由は、当事者同士の紛争解決手段であり、取り下げて問題ないのであれば特許庁としては問題ないという趣旨?だとして、
訂正審判の場合は、自分の特許権の瑕疵に対して無効審判を請求されることを先んじて防ぐという趣旨からすると、本人が取り下げたいと言っているのであれば、本人側の問題はなく、特許庁側としても手間が省かれ、第三者的にも不利益はないのではと考えました。。。

こうあるべきだという話ではなく、これポンを趣旨と紐づけて理解したいという思いから質問させていただきました。

若干質問の意図がつかみ切れなかったのですが、以下のように回答しました。

馬場

訂正審判の取下は可能です。
ただ、請求項毎に取下ができないというだけです。

全部なかったことにするのは問題ありません。

155条2項は、「第134条第1項の答弁書の提出があった後」とありますので、特許法であれば無効審判のことを言っています。訂正審判(当然拒絶査定不服審判も)関係ありません。

155条2項の質問になったのが何故だろうと思ったのですが、おそらく「審判」と条文上書いてあるので、そこを訂正審判も含めて読んでしまっているのかな?と推測して回答しました。

ところが、それに対して追加の質問をいただきました。

ゆうしゃ

回答ありがとうございます。
訂正審判の取り下げができるのは分かるんですが、

>ただ、請求項毎に取下ができないというだけです。
この部分が、無効審判にはできて、訂正審判にできないのは何故なんでしょうか?

「訂正審判の取り下げができるのは分かるんですが」という質問でまた解らなくなってしまいました。

前回の質問を見ていると、質問の一つは「「2項について、訂正審判が認められない」のは何故か?」という内容でした。

それに対して、今度は「訂正審判の取下ができるのは解ります」と回答がありまして。
そうすると、質問者が何が解らないのかが解らないという状況になってしまいました。

例えば、最初の質問「155条3項の規定による1群の請求項毎にした訂正審判の取り下げができないのは、一部の請求項の訂正が認められた場合、訂正後の請求項の中身が当初の関係性を失う可能性があるためなので理解できます」というのも、請求の単位が一群の請求項であるか否かにかかわらず、訂正審判の取下は可能です。なので、どこまでご理解しているのか、これまた難しいものでした。

なお、最後の質問だけみると、「訂正審判の取下が請求項毎にできないのは何故か?」という内容であれば、
簡単に言えば「一覧性の欠如を防止する」というのが理由となります。
この辺は歴史的な経緯がありますので、四法横断の該当箇所で丁寧に説明しておきました。
メール、ブログで返すには荷が重いです(本来査定系審判は請求項毎という考え方がないです)。

 

さて、今回この質問について取り上げたのは理由があります。

それは、質問について「何を聞きたいか」「どこまで理解しているか?」というのが伝わらないということは多々あります。
そして文章が伝わらないことは、実は論文試験の答案において「何を書きたいのかが伝わらない」ということが多くなります。

自分が指摘しているのは意地悪で指摘しているのではありません。
文章で意図を正しく伝えるということは、論文試験に非常に重要です。
そして、それは「論文試験」だから伝わらないのではなく、そもそも普段のビジネス文書レベルからスタートしています。

論文試験で伝わらないことを指摘しても、それは「答案」という土俵だけで伝わらないと考えがちです。
しかし、普段の文章でも、中々人に意味を伝える文章を書くと言うことは難しいです。

したがって、このように繰り返し質問するこで「何が伝わらないのか?」を理解していくことは、論文試験の勉強で非常に有効です。
そのために、質問について、ときどき細かい点を指摘しています。
今回の質問者も、こういう質問を繰り返すことにより「質問力」が鍛えられます。
それは、文章で伝えるという力の向上、最終的には論文力の向上につながります。

試験の合格までは、すべての行動が合格につながることと思い、あらゆることが修行だと思って頑張って下さい。

 

ちなみに、文章で内容を伝える力ですが、普段の気楽な文章をレベル1とすると、論文はレベル3程度の力が必要です。
なお、明細書になると重要な部分はレベル10程度の力が必要です。

そう考えると、論文の答案の文章は、明細書を記載するのに比べれば気楽なものです。

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この記事を書いた人

都内在住の弁理士。平成14年登録。
専門は特許(特にソフトウェア特許、画面UI、システム)。
LECで弁理士関係の講師。

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