短答本試験、お疲れさまでした

著作権法の質問について

著作権の過去問について質問があったのでお答えします。

ゆうしゃ

著作隣接権について
H29-著2-4と、H25-24-4の違いが分かりません。
H29-著2-4の場合は、
実演家の乙が一度CDに録音することを許可しているため、それをラジオで流したり放送することには放送権は及ばない(ワンチャンス主義)が、インターネットで配信する行為に対しては送信可能化権が及ぶ。(講義で言うところの下流にインターネット配信業者のようなものだなくワンチャンス主義は適用されない)
と考えましたが、
H25-24-4は
同じく実演家の乙の歌を放送事業者が録音、放送。さらにこの放送を第三者が録画してインターネットで放送したときには、H29-著2-4と同様に送信可能化権が及ぶかと思ったのですが、回答は送信可能化権は侵害しないとなっていました。

すこしこれ問の解説の書き方が言葉足りずでした。

[H29-著2-4]音楽配信事業者甲は、市販の音楽CDに録音された乙の歌唱を、乙の許諾を得ることなく、インターネット上で配信することができる。
[H25-24-4]甲が作詞及び作曲した歌を歌手乙が無断でアレンジして歌唱した。その歌唱を、放送事業者丙が録画して放送した。この放送を受信して、インターネット上にアップロードする行為は、甲の著作権及び丙の著作隣接権を侵害するが、乙の著作隣接権は侵害しない。

送信可能化権についてのワンチャンス主義については、著作権法92条の2第2項第1号の規定となります。
そこには、「第91条第1項に規定する権利を有する者の許諾を得て録画されている実演」となっています。

すなわち、ここで「録音されている実演」については、送信可能化のワンチャンス主義による除外は含まれていないことになります。
H29の問題は「録音された」ものであるため、ワンチャンス主義の例外規定が働きません。
それに対して、H25の問題は「録画された」ものであるため、ワンチャンス主義の例外規定が働きます。

そこがこの2つの問題の違いです。

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この記事を書いた人

都内在住の弁理士。平成14年登録。
専門は特許(特にソフトウェア特許、画面UI、システム)。
LECで弁理士関係の講師。

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