知財高裁(R02.01.28) 令和元年(行ケ)第10078号
フランスの商標権者の登録商標「AROMA ZONE」が日本で販売されていないとして不使用取消審判が請求されました。
審判段階では応答しなかったため、そのまま商標は取り消す旨の審決がでましたが、審決等取消訴訟で争う姿勢を見せた事件。
商標権者は日本で販売せず。ただし、ランジュビオというフランス在住の日本人Aが運営するオンラインショップで販売されている。
このオンラインショップは、日本語で日本向けに商品販売を行っている。
被告側(審判請求人側)は、ランジュビオの運営者と商標権者である原告は販売代理店契約も結んでおらず、たまたま販売していたに過ぎないのではないか?と主張した事件です。
裁判所は「使用に該当する」として、審決を取り消しました。
被告は,商標権者が商標の使用をしたというためには,商標権者が,登録商標を付した商品の譲受人が日本国内でこれを販売することを単に事実として認識していただけでは足りず,少なくとも商標権者が,第三者と締結する販売代理店契約等に基づき第三者が商標権者を代理して日本国内で販売することを契約上認識していることが必要である旨主張する。
しかしながら,商標権者が,日本国内で販売されることを認識しつつ商標を付した商品を譲渡し,実際に,その商標が付されたまま当該商品が日本国内で販売されたのであれば,日本国内における上記商標の使用(商標を付した商品の譲渡)は,商標権者の意思に基づく「使用」といえるから,それ以上に,被告のいう「契約上」の「認識」なるものを要求する根拠はないというべきである。したがって,被告の主張は失当である。
しかしながら,商標権者が,日本国内で販売されることを認識しつつ商標を付した商品を譲渡し,実際に,その商標が付されたまま当該商品が日本国内で販売されたのであれば,日本国内における上記商標の使用(商標を付した商品の譲渡)は,商標権者の意思に基づく「使用」といえるから,それ以上に,被告のいう「契約上」の「認識」なるものを要求する根拠はないというべきである。したがって,被告の主張は失当である。
すなわち、販売店が単に販売していたとしても、商標権者の意思によるものと言えるのであれば、50条の審判は認められないという結論になりました。