験に関係あるというより法律のルールに近いかと思うのですが、四法を横断的に勉強しているとただ「特許法準用」となっているものと、丸々「実用新案・考案」や「意匠・創作」などと書き換えて全文記載している条文があるのですが、何か違いはあるのでしょうか。
わかりやすさということを前提に説明します(法律学とかで違っていたらごめんなさい)
もし、興味があれば、合格後に法律学から調べてみるといいと思います。
準用
これが原則でいいと思います。
「普通に考えればわかるでしょ!」って軽いノリです。
例えば、意匠法15条で特許法35条を準用しています。
特許法35条は職務発明です。
使用者、法人、国又は地方公共団体(以下「使用者等」という。)は、従業者、法人の役員、国家公務員又は地方公務員(以下「従業者等」という。)がその性質上当該使用者等の業務範囲に属し、かつ、その発明をするに至つた行為がその使用者等における従業者等の現在又は過去の職務に属する発明(以下「職務発明」という。)について特許を受けたとき、又は職務発明について特許を受ける権利を承継した者がその発明について特許を受けたときは、その特許権について通常実施権を有する。
例えば、上でマークした「発明」を「意匠」で読み替えたり、「特許権」を「意匠権」で読み替えて読むのは誰でもできそうです。なので、何も考えずに準用して終わっています。
読替準用
そのままでは読み替えられないよって条文です。
元にあった条文から置き換えたい場合や、疑義があるので明確にしたい場合がこれに該当します。
特許法第三十八条(共同出願)及び第四十三条から第四十三条の三まで(パリ条約による優先権主張の手続及びパリ条約の例による優先権主張)の規定は、意匠登録出願に準用する。この場合において、同法第四十三条第一項中「経済産業省令で定める期間内」とあるのは「意匠登録出願と同時」と、同条第二項中「次の各号に掲げる日のうち最先の日から一年四月」とあるのは「意匠登録出願の日から三月」と読み替えるものとする。
意匠法15条1項です。
パリ条約の優先権主張手続において、単純に準特43条とすると、優先権の主張等は経産省令で定める期間にすればよいことになります。ここで、期間を変えたいために「意匠登録出願と同時」と読替準用しています。
読替準用しないと、期間がこんなに変わるなんて解りません。
また、商標法63条2項は特179条を読み替えて準用しています。
これは、不使用取消審判等がこのままでは含まれるかどうかが明確ではないためです。
別の規定
最後にわざわざ別の規定として設けられているものです。
1つは読替準用だけでは大変なので、別の規定にしたものです。
例えば、意匠法40条の過失の推定の規定は、商標法と異なり特103条を準用していません。
これは、但書で秘密意匠の適用を書く必要があるためです。
ちょっと読替では長くなりすぎそうです。
また、法律的に大切な条文はちゃんと規定しています。
例えば、審査や、差止請求といった規定は、別の規定が設けられています。
何もかも準用だとちょっと解りにくいですよね。