Lゼミが今年も始まりました

質問について(言葉遣いなど)

スマートの受講生からメールにて質問がありましたので、お答えします。

ゆうしゃ

調べてもなかなか出てこないので、
そもそものことでご質問させていただいても良いでしょうか。
①訂正と補正の違い
これは日本語の世界なのかもしれませんが、特許登録前に行う是正が「補正」、特許登録後に行う是正が「訂正」と理解していて良いのでしょうか。
審判請求書は「補正」ができるのですが、これも審判請求書がまだ確定する前だからということでしょうか。

もともとは「補充・訂正」を略して「補正」なのですが、権利化後のものは追加ができないので「訂正」になります。
基本的には、権利については「訂正」であって、それ以外は全て「補正」で問題ないです。
「訂正」は、特許権と、実用新案権の1項訂正、7項訂正のところ位しか出てこないです。
補正の方が一般的な用語という位の認識でOKです。

ゆうしゃ

②特許法施行規則中に出てくる様式について
こちらの中で様式62により作成する・・・などの言葉がありますが、様式が一覧になっている資料が特許庁のHPから見つけることができず。。。
様式は一覧として資料にはなっておらず、毎回検索して使用するのが実務での運用なのでしょうか?
(イメージがある方が色々と覚えやすいのでお聞きしたいなと)

施行規則の条文に掲載があります。
黄色い発明推進協会の本で、法令集と呼ばれるものには出ています → こちら
実務上は、紙等で確認するときは、出願の手続という特許庁の冊子があるのでそれを確認します。
 → PDF

あとは、インターネット出願ソフトのサイトでも書式はあったりするので、特に実務上は困りません。
施行規則の様式まであたるのは年に1回あるかどうかです。

ゆうしゃ

③41条のユーザーフレンドリーの規定なしについて
「41条で30条の適用を受けるには、その旨をあらためて提出する必要がある」とこれ本の解説にあるのですが、これはどこかに書かれているのでしょうか。
青本も確認したのですが、そのような記載がなく。。。
先の出願時に適用を受ける手続きをしていれば、優先権を伴う出願が新規性を喪失した日から1年以上経っていてもOK
(先の出願時が適用される時になるから)
というのはわかるのですが、後の出願で再度適用を受ける旨を記載しなければいけない、というのはどこかに記載があるのでしょうか。
先生は「そういうもの」として受け入れていくことも最初の段階では重要と仰っていたにもかかわらず質問してしまいすみません。

これは、考え方が逆です。
基本、30条の書面は出願毎に、提出するのが原則です。
意に反する公知は別として、少なくとも新規性を喪失した発明については、30条で手続をしないといけません。
それは、優先権だかといっても関係がないのです。

そして、分割出願(変更出願等もありますが、今は省略します)のときだけ、例外的に「出さなくていいよ」となっているのです。

実は、弁理士試験の勉強では、この原則と例外とを捉えることが非常に重要です。
よくある質問で「○○はなぜないのですか?」という質問については、それが原則だからということが多いです。
このような質問が多いところについては、講義の中で結構しつこい位に説明していきますので、安心してください。

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この記事を書いた人

都内在住の弁理士。平成14年登録。
専門は特許(特にソフトウェア特許、画面UI、システム)。
LECで弁理士関係の講師。

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