Lゼミが今年も始まりました

質問について(意匠法の適用)

質問があったのでお答えします。

ゆうしゃ

意3の2これポン4の過去問H21-38-ハやH19-06-4で、20③〜20④の間は同一出願人でも3の2適用で拒絶とあります。
この間でも10③で「登録可の場合がある」のでは?と考えたのですが、これらの問題で10③を考慮しない理由がよくわからずです…

例えば、21-38は以下の問題です。

[H21-38-ハ]甲は、自ら創作した意匠イについて秘密にすることを請求して意匠登録出願Aをし、意匠権の設定の登録を受けた。甲は、当該登録意匠に係る意匠公報で、Aの願書及び願書に添付した図面、写真、ひな形又は見本の内容を記載しないものの発行の日後に、意匠イの一部と類似する意匠ロについて意匠登録出願Bをした。このとき、意匠ロが、意匠登録を受けることができる場合はない。

基本的に、イの一部とロとが類似しているので、今回は非類似意匠となります。
そのため、関連意匠は考慮する必要はなく、3条の2だけ検討すればよいことになります。
ときどき、この質問を頂くのですが、この場合、イの一部であるロとが全体として類似するというのは極めて例外的な規定です。そのため、基本的には考慮する必要はありません。
もうすこし本音をいうと、H21年(H19年)当時は、全体意匠と部分意匠とは審査基準で一律に非類似とされていたため、類似するということにはなりませんでした。

この辺は、改正前の問題を、改正後で考えると齟齬が出てくるのは仕方ない部分です。
疑義を無くすのであれば、一部問題を修正するしかないです。

[H21-38-ハ]甲は、自ら創作した意匠イについて秘密にすることを請求して意匠登録出願Aをし、意匠権の設定の登録を受けた。甲は、当該登録意匠に係る意匠公報で、Aの願書及び願書に添付した図面、写真、ひな形又は見本の内容を記載しないものの発行の日後に、意匠イと全体としては類似しないが一部と類似する意匠ロについて意匠登録出願Bをした。このとき、意匠ロが、意匠登録を受けることができる場合はない。

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この記事を書いた人

都内在住の弁理士。平成14年登録。
専門は特許(特にソフトウェア特許、画面UI、システム)。
LECで弁理士関係の講師。

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