質問があったのでお答えします。
ゆうしゃ
特許29条の2の「発明者同一」について質問です。
「発明者同一」の判断基準はいつになるのでしょうか。
H23-57-5で、乙の出願Bには発明イの発明者が甲だという記載があることは読み取れませんでした。甲は出願Aについて「上記の一切の事実関係を明らかにした」とあるので、後願出願時に発明者同一がわかれば後願は29条の2で拒絶されない、という認識であってますでしょうか。
まず、発明者は発明してから変わることはありません。
これ大切です。
ときどき、実務でも分割出願時に「発明者の甲さん、乙さんのうち、甲さんは、退職しているので、発明者から削除したい」という相談があったりします。しかし、これはできません。それは、発明者は変わらないからです。
(なお、分割出願の明細書等から、甲さんが発明した内容を全て削除すれが可能です)
そのため、テキストを見たとしても、「判断基準時」の話はどこにも出ていません。
出願Aと、出願Bの発明者は、出願時も、査定時も変わらないはずだからです。
なお、この「発明者」というのは、「願書に記載された発明者」という意味ではありません。
しっかり発明をした発明者です。
例えば、出願Aの願書に発明者「甲」、出願Bの願書に発明者「乙」と書いてあっても、発明を「甲」がしたのであれば、発明者は同一となります。
なお、問題において、「特許庁が真の発明者が誰か解るのか!」ということは問われていませんので、条文の知識(発明者が同一であるかどうか)という点で回答すれば十分です。