質問があったのでお答えします。以下、同じゆうしゃからの質問です。
特8条 これポン1
『特許管理人は不利益行為であっても特別の授権不要』
在外者である本人とのやり取りが煩雑になることを踏まえて、『不要』なのでしょうか?
旧法(大正10年法)から現行法(昭和34年法)になるときにできた規定になります。
明確な根拠については、注解特許法等の記載もありません。
推測ですが、特別授権(特9条)の場合は、特別授権のない行為は本人が行うことになります。
在外者は、そもそも本人が行為を行えないという状況です。
したがって、窓口として、日本に特許管理人を置くわけですから、制限をかけてもしかたないからだと思われます。
特34条の2 これポン2
『分割出願するときに仮専用実施権の承諾必要なし』
分割出願の際のユーザフレンドリの一環として考えればいいのでしょうか?
「承諾」を得るのは、不利益があるときです。
仮専用実施権は、そのまま分割出願で地位が引き継がれますので、不利益がありません。
したがって、承諾不要となります。
なお、ユーザフレンドリーは、手続が不要という規定です。
若干ニュアンスが違うと思います(ただ、そう理解して問題が解けるのであれば、論文で問われるところではないので、それでもいいです)。
特135条 これポン1
『不適法な審判請求→審決却下』
審判請求で方式違反した場合は、133条で審判長が決定をもって請求書を却下するのに、補正することができない場合、135条により、審判の合議体でわざわざ審決をもって請求却下する理由ですが、
『補正命令も何も出さずに、いきなり審判請求を却下させるので、慎重に判断する』という解釈でよろしいでしょうか?
ご理解の通りで良いと思います。
講義の中で繰り返し伝えているところです。
特134条の2
これポン5
『訂正の請求が新たにされた場合は、先の訂正の請求はみなし取り下げ』
→『無効審判は、当事者対立構造のため、前の訂正に更に別の訂正を付加すると、請求人に対してもわかりづらく、審判の迅速化を図るため、追加で被請求人から訂正請求があった場合には、前の訂正請求は取り下げることにより、完全に差し替える形とした』という解釈でよろしいでしょうか?
それで問題が解ける(間違えない)のであればそれでもいいです。
なお、訂正の請求の結論は、最後の審決で初めて示されます。
審判の途中で認められるかどうかは結論を出していません。
したがって、前回の訂正の請求を有効として扱う必要がないため、取下げ扱いとしています。
これポン4
『訂正の請求が取り下げられるタイミングは訂正明細書等の補正ができるタイミング』
→『無効審判は、当事者対立構造で、相手方である請求人がいるため、補正が出来るタイミングが限られている。また、これポン5の考え方に基づき、訂正の請求が新たにされた場合は、先の訂正の請求はみなし取り下げとなるため、請求人からの訂正請求の取り下げも、補正が出来るタイミングと同じにした。』の解釈でよろしいでしょうか。
文章が複雑で、逆に理解しにくそうですが、それで理解できるならOKです。
なお、補正ができるんだから、取り下げても良いんじゃないか?位のニュアンスです。
これポンの理由付けは、「問題が解けるため」の理由付けでも十分です。
したがって、必ずしも「しっかりとした根拠のある理由付け」である必要はありません。
(論文につながる理由付けは、論文これ問で学習してください)