外国語特許出願の審査開始時期について

外国語特許出願の審査開始時期について質問があったのでお答えします。

外国語特許出願の審査請求は、国内処理基準時になります。
なので、国内書面提出+手数料納付+翻訳文を提出し、審査請求をすることで審査開始となります。
なお、これは出願人がする場合であって、第三者は国内書面提出期間経過後でないとすることはできません。

さて、特許実務というのは難しいもので、条文上は審査請求自体はできるのですが、これで審査が開始されるかというと、残念ながら直ぐには審査開始とはならず、PCT出願の場合かなり遅くなることがあります。

したがって、出願として早期権利化を希望して移行と同時に審査請求をしたとしても、なかなか審査が始まらないとうう状況になる場合があります。

例えば、審査を早めてもらうには早期審査(審査ハイウェイ)の手続きをしますが、審査ハイウェイのQ&Aには以下のように記載されています。

PCT-PPHの申請が認められれば、早期に審査を受けることができます。ただし、日本国以外を受理官庁とするPCT出願及び日本国特許庁を受理官庁としたもののうち外国語でなされたPCT出願の国内段階移行出願については、WIPO国際事務局からのIB書類の送達がされて庁内処理がなされてからという制約があります。

また、「特許協力条約(PCT)に基づく国際出願の国内移行手続」という資料の中では以下のように記載されています。

Q.早期に審査官による審査(実体審査)を開始してもらうためには、どういう手続がありますか。

優先審査の申請(特48の6)又は早期審査の申請(申し出)があります。
早期審査に関する詳細については、特許庁ホームページ → 「制度から探す」「特許」 → 「審査」 → 「早期審査」についての各項目を参照してください。
(注)国内段階に移行した国際出願については、出願審査請求書を提出した後はいつでも早期審査の申請(申し出)が可能ですが、特許庁内の手続が開始されるのは、庁内ファイルへデータ(国際公開、国際調査報告等)が格納された後となります。

このように、審査請求をしたからといって直ちに審査される訳ではなく、実際は想定より遅くなることもあります。
したがって、実務上は審査の開始の要件として「国際公開」が話題になることが多いのですが、この辺が実際の運用の知識があると、問題を間違えることもあります。
知財の業務をやっている人は引っ張られないように気をつけてください。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

都内在住の弁理士。平成14年登録。
専門は特許(特にソフトウェア特許、画面UI、システム)。
LECで弁理士関係の講師。

目次