質問:特許の審査について

質問があったのでお答えします。

ゆうしゃ

[R1-特03-3]
文中から、17条の2第4項~第6項を満たしているか分からないですが、補正却下される可能性はないのでしょうか?

過去問は以下の問題です。

[R01-特03-3]出願人は、最後の拒絶理由通知において指定された期間内に、明細書のみについて補正するとともに意見書を提出した。これに対し、当該補正が特許法第17条の2第3項の要件(いわゆる新規事項の追加の禁止)を満たしているものの、当該補正及び意見書によって最後の拒絶理由通知に係る拒絶の理由が解消されていないと審査官が認めた場合、この補正は却下される。

ポイントに線を引きましたが、「明細書」のみの補正ですので、対象となるのは3項のみです。
4項、5項は特許請求の範囲が補正されたときだけです。

ゆうしゃ

[R7-特11-ニ]
これは補正却下なしには拒絶査定とは絶対にならないのでしょうか?
このように、補正却下あり、なしや拒絶査定の区別が付かないことがかなりあり困っています

[R07-特11-ニ]審査官は、特許法第17条の2第3項に規定する要件(いわゆる新規事項の追加の禁止)を満たしていない旨の最後の拒絶理由通知をした。しかし、当該通知に対して出願人がした補正は、最後の拒絶理由で通知した拒絶の理由を解消していなかった。この場合、審査官は、その補正を却下することなく、拒絶をすべき旨の査定をすることができる。

難しい問題ですが、ここで「補正が何か」を考えます。
可能な補正は17条の2第5項第1号~第3号の何れかです。
第4号は新規事項の追加に対する拒絶理由通知には使えません。

次に、第1号の請求項を削除したのであれば、当該拒絶理由は解消するはずです(なくなっているため)
そのため、第1号の目的ではないでしょう。
次に、第3号の誤記の訂正は、新規事項を「誤記だから削除しました」という補正自体が不適法です。
したがって認められません(補正却下になります)

最後に第2号の限定的減縮が一番可能性が高いのですが、この場合第6項の独立特許要件が課されます。
新規事項の追加の拒絶理由が解消してない=特許とすることができない訳ですから、独立特許要件違反で補正却下になります。

と、何れの場面でも、補正却下になると思います。

補正却下自体は、ロジックを追えば答えは必ずでるのですが、慣れがかなり必要です。
繰り返し学習することで、徐々に理解していけると思います。

ゆうしゃ

特49条 これポン6
【補正】→出願当初の範囲ならば一度削除しても補正で追加可能
【訂正】→一度削除したものは追加不可

権利化前と権利化後という話ですが、概ねその理解であっています。
ただ、訂正については、誤記又は誤訳の訂正を目的とする場合は、出願当初の範囲でできますので、一度削除していても追加することは可能です(ただし、権利範囲を拡げることはできません)


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この記事を書いた人

都内在住の弁理士。平成14年登録。
専門は特許(特にソフトウェア特許、画面UI、システム)。
LECで弁理士関係の講師。

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