質問について(使用をする権利及び放棄について)

質問があったのでお答えします。

ゆうしゃ

33条の2(2項)について質問です。
この条文の趣旨について、青本1675pに、「(中略)その特許権が存続期間の満了により消滅した後も商標権が存続しているときは、原特許権者は自己の発明を実施できなくなるが、それはあまりにも酷であるということから本項が設けられた」とあります。
特許権者にとって存続期間の満了により自己の発明を実施できなくなるのは普通の事のように思えるため、特に救済する意味がイメージできません。具体的な事例がありましたら教えてください。

存続期間が満了した場合、通常は自己の特許発明だったのもは誰もが実施できるようになります。
これは、特許権者であるか否かに関わらずです(実施できなくなる訳ではありません)

さて、例えば、立体的な形状イについて甲が特許権を取得したとします。
その後、乙がイについて立体商標について出願し、商標権を取得したとします。

この場合、乙は後願になるので、甲の特許権がある間は商標権に係る立体商標を使用できません。
しかし、先願の特許権が存続期間満了で消滅した場合、乙は立体商標を使用できます。

さて、この場合、甲は特許権がある間はいいのですが、特許権が消滅すると、乙の商標権に対して「侵害」となってしまう場合があります。
そのため、特許権者がその後、特許発明にかかるイを実施しても、問題ないですよって規定です。

現実的にはなかなか起こりにくい場面です。

ゆうしゃ

放棄・消滅・取り消しの違い
これぽん商43条の3(H25-21-4)X 
理由:放棄は将来効であるため取り消す必要がある とあります。
将来効とはいつ発揮されるのでしょうか。
放棄・消滅・取り消しの違いが理解しにくいので解説をよろしくお願いいたします。

放棄は自ら権利をやめることです。
なので、放棄の登録(特許権を抹消した登録)がされた日から効力を生じます。
逆を言えば、その日まで権利が残ることになります。
したがって、登録からその日までの間を、第三者が無効にしたり、異議で取り消すことが可能です。

無効審判で消滅するタイミング等はいくつかバリエーションがあります。
講義の中でのポイントを将来的にはおさえられると良いと思います。

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この記事を書いた人

都内在住の弁理士。平成14年登録。
専門は特許(特にソフトウェア特許、画面UI、システム)。
LECで弁理士関係の講師。

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