12月になり、色々なことが同時進行しています。
「師走」とはよく行ったものですね。
ということで、色々と回答が遅くなりましたが、α1さんからの質問が前にあったのでお答えします。
新規性と進歩性は、同時に該当するのが日本は大半?と講義で先生が仰っていたと思うのですが、進歩性だけ該当することはあるのでしょうか。
そして、論文では新規性に該当しているときは進歩性違反は記載しなくて良いのでしょうか。
平成22年特許問Ⅱ
下位概念が刊行物に記載されている場合の無効理由として、29条1項3号が挙げられています。
下位概念が公知の場合は、新規性違反と覚えれば良いでしょうか。
イメージで、下位概念から上位概念(請求項に係る発明)が容易に相当できる→進歩性欠如(29条2項)?
と思いました。
意匠だと、新規性違反を除くものが3条2項とカッコ書きにありますが、特許はそれもないので…
まず、前半ですが、進歩性だけ該当することは当然あります。
また、新規性だけ該当することも当然あります。
条文上の当てはめからは、それぞれ別の規定のためです。
実務上は、新規性違反のときは、進歩性違反も通知されることがあります。
ただし、100%ではありませんので、そこはケースバイケースになります。
自分が審取まで争った事件は、新規性のみで拒絶査定(審決)となったものでした。
一般的に下位概念が既に公知となっていれば、上位概念を出願すれば新規性違反となります。
平成14年の商標において、論文これもんp94にあるように、特許法で無効審判を請求して遡及消滅→訴訟上では「権利消滅の抗弁」とあったと思います。
それと別に、消滅していなくても104条の3が抗弁として訴訟上でできると思います。
H14の(4)では、104条の3の抗弁のみの記載ですが、「権利消滅の抗弁」も記載しても間違いではないという認識で良いでしょうか。
文量的に調整しているという認識で良いでしょうか。
そもそも「権利消滅の抗弁」は積極的に記載すべき事項ではないです。
意味合いとしては、104条の3と、無効審判が条文ラインと考えています。
このとき、論文の答案で無効審判の項目が落ちることを防ぐのに挙げる程度です。
平成14年は、当然全体を通して、設問(2)で無効審判に触れられているのであえて権利消滅の抗弁を書く必要がない程度です。なお、受験生としては、権利消滅の抗弁はマイナー項目だと思います。
したがって、積極的に書くと言うより保険論点となるところだと思います。