質問があったのでお答えします。
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補正却下
特許法:補正却下のみは審決等取消訴訟不可→拒査不服審取で争う
意匠・商標法:補正却下決定不服審判の審取で争う→ 拒査不服審取で争えない
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とありますが、この「補正却下」はどの場面の話をしていますでしょうか?
特許、意匠・商標共に「拒絶査定不服審判で補正が却下された場合」の話と思っていたのですが、合っていますか?
特許法の方は合っている気がするのですが、意匠・商標の方が「拒絶査定不服審判で却下された補正は補正却下決定不服審判の審取で争う」となってしまいますがこれで合っているのか、よくわかりません。
四法これポン(または四法ハイライト)のテキストですが、最後の仕上げようなので、それ程詳しい説明ではなく申し訳ないです。
さて、ここでの場面としては、補正却下をどのように争うかの記載になります。
補正却下自体はいつされたものでもいいのですが、審判段階でされた補正却下と理解しても問題ないので、それで説明します。
特許法については、補正却下の決定だけでは単独で争えません。
もし争うのであれば、拒絶審決に対して審決等取消訴訟で争います。
また、審査段階であれば、拒絶査定不服審判を請求して補正却下の決定について争います。
つぎに、「意匠・商標の方が「拒絶査定不服審判で却下された補正は補正却下決定不服審判の審取で争う」」とありますが、そもそも補正却下決定不服審判にはなりません。
拒絶査定不服審判の中で補正却下がされた場合、補正却下の決定について、取消の訴訟を行います。
審取というのは、「審決等取消訴訟」のことです。
なので、「審決」以外にも争えることはいくつかあります。
その中の一つに、(拒絶査定不服審判の)審判段階でされた補正却下の決定については、その分だけ取消を求めて訴訟を行えます。
意59条で「50条1項において準用する第17条の2第1項の規定による却下の決定に対する訴え」というのがその手続になります。
意匠・商標 拒絶査定不服審判においてされた補正却下
→不服の場合は30日以内に審取
とありますがこの「30日以内に審取」の審取はなんの審決取消訴訟でしょうか?
この30日にいないに審取等をするのは、補正却下の決定の取消についてです。
訴訟にいくため30日という期間になっています。
なお、この間は拒絶査定不服審判は係属中となります。
拒絶査定不服審判において補正が却下された場合は、補正却下を不服とした訴訟を起こすことはできないが、拒絶査定不服審判の審決に対して審決取消訴訟を起こしてその中で補正却下の可否について争う、
という理解でしょうか?
特許法は、補正却下の決定だけを単独では争えません。
また、補正却下=即時に拒絶審決になります。
したがって、拒絶審決に対する審決等取消訴訟で争います。
しかし、意匠商標は、一度補正「却下の決定」がなされます。
したがって、この決定に対して審決等取消訴訟を行います。
なお審決等取消訴訟は、審決以外にも争えるものがあります。
異議申立書・審判請求書・再審請求書・訂正請求書の却下の決定、補正却下の決定については争うことができます。