ゆうしゃ甲の質問にお答えします。
以下、同一の甲さんからの質問の回答です。
1点目
特許法16条これポン3に記載の[H19-05-ロ]について質問です。
成年被後見人が自ら手続をしてしまった場合なので、成年後見人の存在を考える必要があるのかな
(=法定代理人による追認がなくとも、能力を取得した本人あるいは成年後見人が追認すれば手続きが有効になる)、
と考えてしまいましたが、ここで成年後見人の存在を考えていないのはなぜなのでしょうか。
仮に成年後見人の存在を考えても解答は変わりませんが、成年後見人・成年被後見人の制度がよく分からず
本試で同じような問題が出たら焦りそうな気がしますので質問しました。
質問の意図がいまいちつかみ切れていませんが回答します。
既に法定代理人に寄らずに手続をしてしまっているので、誰かの追認の手続が必要です。
ここで、追認をできる人は、法定代理人か、能力を取得した本人になります。
問題では、法定代理人は除外されていますので、残すのは能力を獲得した本人だけとなります。
当該制度を一から説明するのはすこし難しいです。
2点目
特許法43条の3に記載の[H16-48-ニ]について、解説の「商標の相互承認の対象となったのは」以下の説明がよく分からないので教えていただきたいです。
参考問題と記載しているように、当該問題は今後出題される可能性が低いので気にしないで問題有りません。
問題に記載しているように、台湾との間で商標の登録出願について、優先権の取扱いが相互主義が採用されるようになった時期を問うている問題ですが、昔の話です。
3点目
特許法53条これポン1に記載の[H28-特08-ハ]、[H15-57-1]について質問です。
独立特許要件のみ違反するとき、と聞かれているときは、補正の目的が限定的減縮であると決めつけてよいのでしょうか。
補正の目的が限定的減縮でなければ、補正却下にならないだろうと考えて間違えてしまいましたので、質問しました。
H28の問題で解答します。
そもそも問題文で「特許出願の際独立して特許を受けることができるものでなければならないとの要件にのみ違反するとき」と聞いています。
独立特許要件違反に該当するときの取扱いを聞いていますので、補正の目的を聞いている問題ではありません。
この場合、限定的減縮を補正要件としていることになりますが、そこは論点ではありません。
補正の目的が限定的減縮でなければ・・・とは想定しない問題です。
4点目
特許法67条の7その他過去問に記載の[H27-16-ホ]の日本語が難しくて、理解できません。
放出制御組成物事件は、例えばある特許について薬機法の処分を複数個受けていたときに
両者のどこかが違えば(錠剤に対する処分と粉薬に対する処分など)延長OKという理解ですが、その理解と問題文が結びつかず困っています。問題文をどう読めばよいのでしょうか。
放出制御組成物事件は、「先行医薬品が延長登録出願に係る特許権のいずれの請求項に係る特許発明の技術的範囲にも属しないとき」かどうかの判断です。
ご質問の両者のどこかが違えばというのは、ベバシズマブ事件の話であり、最近の審査基準はそのような解釈です。
なので、問題文を読んでも、ご質問の要件は読めません。
また、この判例自体は1問のみの出題のため、あまり時間をさかなくていいと思います。
5点目
特許法120条の2に記載の[H29追-特09-イ]に関して質問です。
異議申立人が申し立てない理由でもそうでなくても、取消理由通知の際に意見書が提出できるので、「異議申立人が申し立てない理由によって取消決定をしようとするときに意見を申し立てる機会を与える」という規定がないと考えていてよろしいでしょうか。
異議申立は特許庁に告げ口をしたに過ぎません。
原則異議申立人が申立範囲内において、特許庁が判断した内容に基づいて取消理由通知ができます。
ご理解の内容でもよろしいかと思います。
6点目
特許法165条に記載の[H30-特19-1]に関して、問題文に記載の事項が訂正拒絶理由の対象でないことはわかりますが問題文に記載の状況がよくわからないので、教えていただきたいです。
問題文に記載しているままなので、何とも解答しにくいですが・・・
一覧性の欠如の観点から、明細書を訂正するときは、当該明細書に対応する請求項の記載についても訂正をする必要があります。
例えば、第1実施形態の内容が、請求項1~6に影響を及ぼす場合は、請求項1~6の全てを訂正する必要があります。
にも関わらず、請求項1~6の全てに訂正審判を請求していないということです。
確定した取消決定に対する再審に155条1項が準用されているのはなぜだと考えておけばよいのでしょうか。
異議申立てと同様に考えてしまって、間違えてしまいます。
異議申立も請求項毎に取下げ可能です。
(取消理由通知後に取下げできないということは、また別に異なる理由です)。
なお、基本的に最新は特許を復活させる場合に使われます。
再審請求を取り下げる=特許が復活しないということなので、
第三者に不利益も与えず問題はありません。
8点目
特許法178条その他過去問に記載の[H21-07-4]がよくわからないので教えていただきたいです。
審決取消訴訟提起後の訂正審判の請求ができなくなったことから、この問題は気にしなくてもよい気もしますが念のため質問しました。
客体が変わったために、無効審決自体も取り消されるものです。
審決取消訴訟の客体が訂正審判で変更されてしまうために、無効審決を維持する判断ができないからというような理解でいいです。
現行法ではあまり想定しなくていいです。
9点目
特許法184条の4その他過去問に記載の[H25-16-ハ]に関して、法改正を考慮すると「正当理由があれば」でなく「故意でなければ」となる気がします。ご確認いただけますでしょうか。
この問題は改正では変わります。新しいこれ問では変更しています。
10点目
特許法195条の2に記載の[H17-26-4]がよくわからないので教えていただきたいです。
以前、一度質問した点かと思いますが、やはり問題のポイントがどこなのかよく分からないです。
例えば、甲が発明した内容を中小企業Xが譲り受けたとき、中小企業は減免の規定をうけることができます。
本人だけが適用を受けられるというものではありません。
11点目
特許法203条に記載の[H29追-特11-2]の問題のポイントがどこなのかよくわからないので教えていただきたいです。
問題文に「正当な理由」があるかがどうか不明です。
なので、正当な理由があれば過料にはならないので「そのことのみ理由」は言い過ぎだと思います。
12点目
意匠法10条その他過去問に記載の[H18-43-ホ]に関して質問です。
「出願日が同日であるか否か」とありますが、パリ優先権を主張した出願は出願日は遡及しないのに…?と困惑してしまいます。
解答を見れば、本意匠としてイを選択することが妥当であるかを問うていることは分かりますが、問題文からそれをどう読み取ればよいのでしょうか。
質問の意図がつかめず、解答できず申し訳ありません。
(何を読み取るというのか不明です)
なお、関連意匠10条1項の規定については、出願日は遡求し、第1国の優先日を出願日としています(10条1項かっこ書き)
13点目
意匠法31条その他過去問に記載の[H17-42-ハ]及び意匠法32条に記載の[H19-37-4]に関して質問です。
これらの条文に規定されている通常実施権を認めるモチベーションが「『実施したいけど時間が来た』という人を保護すること」だと考えると、存続期間満了時に実施していないといけない気がして間違えてしまいますが
ここで実施が要件とされていないのはなぜだと考えておけばよいでしょうか。
実施権を認めるモチベーションを実施したいけどと判断するのが誤りとなります。
存続期間満了後の実施権は、先願として権利を持っていたということが理由です。
特に実施のモチベーションはなくても問題ないです。
14点目
意匠法50条その他過去問に記載の[R02-意09-3]に関して質問です。
拒絶査定の拒絶理由と異なる拒絶理由であっても、審査段階で通知した拒絶理由であれば意見書提出の機会を与えずに拒絶査定になると考えてしまったのですがここで「審査段階で通知した拒絶理由」とも異なる拒絶理由を想定しているのは、「拒絶をすべき旨の査定の拒絶理由とは異なる『新たな』拒絶理由」と記載があるからと考えてよろしいでしょうか。
「新たな」となっているので、審査段階では通知していません。
なお、意匠や商標は、できることが限られるので、審査段階で色々な拒絶理由が通知されるという場面は想定されにくいです。
通常拒絶理由通知と、拒絶査定は同じものになります。
特許のように、途中で拒絶理由が変わるということは殆どないです。
(新たに拒絶理由が出るような補正の時は要旨変更になるためです)
15点目
商標法2条これポン10に記載の[H29追-商03-イ]について質問です。
小売等役務の取扱い商品と類似する商品は、原則、当該小売等役務に類似すると考えていて良いのでしょうか。
[R03-商01-ニ]のように、「場合はない」と問われれば、例えばコーヒーの小売等役務に対してココアがあると考えれば解答を出せますが、[H29追-商03-イ]のように「含まれる」と問われると、迷ってしまうので質問いたしました。
原則含まれるという理解で大丈夫です。
なお、追補問題ですので、聞き方すこし甘いです。
16点目
商標法2条その他過去問に記載の[H28-商02-5]の日本語がイマイチ理解できません。
商標法2条4項1号では、商品を標章の形状にすると記載がありますのでクッキーにチョコレートがついたお菓子(商品)をたけのこの里の形状(標章の形状)でつくるというイメージを持てますが、[H28-商02-5]では、立体的な標章を商品自体の形状にすると記載がありますので、たけのこの里の形状をクッキーにチョコレートがついたお菓子それ自体の形状にするという解釈となり、結局言っていることは同じという意味でしょうか。
[H28-商02-5]の問題文で混乱してしまって、質問自体も意味が分からないかもしれません。ごめんなさい。上記の考え方以外に良い理解の仕方があれば教えていただきたいです。
たけのこの里で理解あっています。
商標法は「標章を付する」という定義になっています。
そうすると、立体商標のときはどういうこと?ってなるので、そのまま立体商標を作れば標章を付すると読みますという理解です。
なお、自分はきのこの山派です。
17点目
商標法4条1項11号これポン1に記載の[H14-50-4]について質問です。
商標の類比は、具体的な取引状況に基づいて判断「しなければならない」と考えていて良いのでしょうか。
四法これポン5章8節(86頁)に記載されているとおり、「取引の実情が考慮される『場合あり』」と理解していたのでどちらで理解していればよいのか確認させていただきたく、質問いたしました。
取引の実情がなければ考慮されないですが、あれば考慮されるとしていいと思います。
四法これポンや、講義では「考慮される場合もある」としているのは、そういう事情がない場合を含むためです。
なお、審査基準は以下のように記載しています(4条1項11号)
(1) 類否判断における総合的観察 商標の類否は、出願商標及び引用商標がその外観、称呼又は観念等によって需要者に与える印象、記憶、連想等を総合して全体的に観察し、出願商標を指定商品又は指定役務に使用した場合に引用商標と出所混同のおそれがあるか否かにより判断する。 なお、判断にあたっては指定商品又は指定役務における一般的・恒常的な取引の実情を考慮するが、当該商標が現在使用されている商品又は役務についてのみの特殊的・限定的な取引の実情は考慮しないものとする。
(一般的・恒常的な取引の実情の例) 指定商品又は指定役務における取引慣行
(特殊的・限定的な取引の実情の例)
① 実際に使用されている商標の具体的態様、方法
② 商標を実際に使用している具体的な商品、役務の相違
18点目
商標法4条1項15号その他過去問に記載の[H22-50-2]について質問です。
防護標章は禁止権の範囲ですので、それに類似する範囲は禁止権から外れるでしょうし混同を生じる範囲に該当するとは限らないと考えましたが、この問題では「原則として商標登録を受けることができない」となっているのがよく分かりません。
どのようなロジックでこの問題を解いているのか、教えていただきたいです。
防護標章が対象となるは著名商標です。
したがって、防護標章に登録されている類似する商品・役務の範囲は、原則混同を生じます。
ソニーを「コヒー」につかって混同するのであれば、「ココア」になったら急に混同しないとはならないことが大半です。
したがって、防護標章に類似する範囲は、4条1項15号にほぼ該当し登録をうけることができません。
19点目
商標法21条に記載の[H25-13-イ]、商標法21条に記載の[R03-商05-4]、及び同条に記載の[H20-56-4]について質問です。
法改正を考慮すると「正当理由があれば」でなく「故意でなければ」となる気がします。ご確認いただけますでしょうか。
ご指摘ありがとうございます。
H25-13は、没問です
他の2問は「故意でなかったとして」と読み替えてください。
ご質問の回答は以上です。