必須科目の論文試験、本当にお疲れさまでした。
まずは、今日ここまでたどり着いたご自身に、「よく頑張ったね」と声をかけてあげてください。
どんなに準備をしてきた方でも、論文試験のあと独特の緊張感は、想像以上のものだったと思います。
終わった今、「あれは書けなかった」「ここで間違えた」と、
不安な気持ちが押し寄せている方も多いかもしれません。
でも、それはとても自然なことです。
実際、毎年多くの受験生が「今年はダメです…」「もう足切りだと思います」と言いながら、
発表の日には「番号ありました!」と連絡をくれています。
終わった直後は、自分のミスばかりが強く印象に残るものです。
特に一生懸命準備をしてきた方ほど、「もっと書けたはずなのに」と悔しさが湧いてくるものです。
でも、論文試験は絶対評価ではありません。
他の受験生との相対的な評価が重要です。
つまり、「できなかった気がする」と感じたことと、結果とが一致するとは限らないのです。
今年の問題も、解きにくさを感じた方が多かったのではないでしょうか。
「これはどう書けばいいのか…」と迷う設問がいくつかありましたよね。
特許法の問題1の最後のように、「これはすぐには書けないな」と分かる問題は、気持ちの整理がつきます。
しかし「書けそうで書けない」「何を書けばいいのかわからない」というタイプ問題のほうが、
受験生の焦りや不安を強くしてしまいます。
例えば、上述した特許法の問題1の最後は「権利移転の単独申請」でしたが
実務経験があれば知っている内容です。
しかし、試験としては出ていないので概ね書けないと思います。
今回は、問題文で特登令まで書いてあり、ここまで書かせるの?とはちょっと思いました。
(ちなみに単独申請は、例えば特許庁のWEB「単独申請について」とか参照)
論文って、意外と、「自分が書けなかったところは、他の人も書けていない」ものです。
本試験というのは、普段と違う空気の中で、時間に追われながら書く特殊な環境です。
どんなに準備していても、ミスが出ますし、それは当然です。
むしろ、「全部書けた」という人の方がずっと少ないはずです。
例えば、偶然か意図的かは分かりませんが、今年は全ての科目に「契約」という文言が登場していました。
普段あまり見ない文言が問題文にあるだけで、読みづらく感じるものです。
「なんだか読みづらいな」と感じたとしたら、それは決して気のせいではないと思います。
論文試験は、誰にとっても簡単なものではありません。
だからこそ、今日まで積み重ねてきたことが、大きな意味を持ちます。
うまく書けたという手応えがある方も、そうでない方も、
大切なのは、「あの時間に自分なりの答案を出し切った」という事実です。
少し気持ちが落ち着いたら、次の準備を始めていきましょう。
「次」とは口述試験です。
合格発表はまだ先ですが、自分を信じて、歩みを止めずにいてください。
ここまで来たのですから、きっと大丈夫です!
最後に、選択科目が残っている方は、もうひと踏ん張り。
応援しています。