R07論文試験お疲れさまでした

必須科目の論文試験、本当にお疲れさまでした。

まずは、今日ここまでたどり着いたご自身に、「よく頑張ったね」と声をかけてあげてください。
どんなに準備をしてきた方でも、論文試験のあと独特の緊張感は、想像以上のものだったと思います。
終わった今、「あれは書けなかった」「ここで間違えた」と、
不安な気持ちが押し寄せている方も多いかもしれません。

でも、それはとても自然なことです。
実際、毎年多くの受験生が「今年はダメです…」「もう足切りだと思います」と言いながら、
発表の日には「番号ありました!」と連絡をくれています。

終わった直後は、自分のミスばかりが強く印象に残るものです。
特に一生懸命準備をしてきた方ほど、「もっと書けたはずなのに」と悔しさが湧いてくるものです。

でも、論文試験は絶対評価ではありません。
他の受験生との相対的な評価が重要です。
つまり、「できなかった気がする」と感じたことと、結果とが一致するとは限らないのです。

今年の問題も、解きにくさを感じた方が多かったのではないでしょうか。
「これはどう書けばいいのか…」と迷う設問がいくつかありましたよね。

特許法の問題1の最後のように、「これはすぐには書けないな」と分かる問題は、気持ちの整理がつきます。
しかし「書けそうで書けない」「何を書けばいいのかわからない」というタイプ問題のほうが、
受験生の焦りや不安を強くしてしまいます。

例えば、上述した特許法の問題1の最後は「権利移転の単独申請」でしたが
実務経験があれば知っている内容です。
しかし、試験としては出ていないので概ね書けないと思います。
今回は、問題文で特登令まで書いてあり、ここまで書かせるの?とはちょっと思いました。
(ちなみに単独申請は、例えば特許庁のWEB「単独申請について」とか参照)

論文って、意外と、「自分が書けなかったところは、他の人も書けていない」ものです。

本試験というのは、普段と違う空気の中で、時間に追われながら書く特殊な環境です。
どんなに準備していても、ミスが出ますし、それは当然です。
むしろ、「全部書けた」という人の方がずっと少ないはずです。

例えば、偶然か意図的かは分かりませんが、今年は全ての科目に「契約」という文言が登場していました。
普段あまり見ない文言が問題文にあるだけで、読みづらく感じるものです。
「なんだか読みづらいな」と感じたとしたら、それは決して気のせいではないと思います。

論文試験は、誰にとっても簡単なものではありません。
だからこそ、今日まで積み重ねてきたことが、大きな意味を持ちます。

うまく書けたという手応えがある方も、そうでない方も、
大切なのは、「あの時間に自分なりの答案を出し切った」という事実です。

少し気持ちが落ち着いたら、次の準備を始めていきましょう。
「次」とは口述試験です。

合格発表はまだ先ですが、自分を信じて、歩みを止めずにいてください。
ここまで来たのですから、きっと大丈夫です!

最後に、選択科目が残っている方は、もうひと踏ん張り。
応援しています。


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この記事を書いた人

都内在住の弁理士。平成14年登録。
専門は特許(特にソフトウェア特許、画面UI、システム)。
LECで弁理士関係の講師。

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