短答ゼミの申込中です。是非ご参加下さい!

H30-意03-1について

質問が色々とあったのですが、しばらく寝かせてしまって申し訳ないです。
随時回答していきます。

H30-意03-1について

問題文5行目の”意匠イが掲載された意匠公報の発行の日”とは、甲の意匠イについての日本における意匠公報の発行の日(=国際公表による国際意匠公報の発行の日ではない。)と理解しましたが、正しいでしょうか?できればご判断の理由も教えていただけると助かります。

上記が正しいと仮定して、乙の出願は、日本における意匠公報の発行日前の出願であっても、国際公表後である場合には、意匠イが公知になるので、3条の2の規定に優先して3条1項3号が適用される。
一方、国際公表前であれば、3条の2の規定が適用される。よって、”いかなる場合であっても3条の2の規定により拒絶”ではないので、本問×という理解で正しいでしょうか。

まず、ご質問に書かれているように、意匠公報については、ご指摘通り意匠公報は日本の登録公報であり、国際公表によるものでは有りません。これは審査基準の記載になります。

※この意匠公報には、国際意匠登録出願(注)の場合における国際公表(注)の国際意匠公報は含まれないが、当該国際公表された国際意匠公報に掲載された意匠は、意匠法第3条第1項第2号に規定する意匠(日本国内又は外国において、頒布された刊行物に記載された意匠又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となつた意匠)に該当することに注意を要する。(第Ⅲ部 第4章 先願意匠の一部と同一又は類似の後願意匠の保護除外 8.2)

条文上も国際意匠公報が含まれないためです。なお、3条の2は新規性の規定が使えないために特別にある規定です。
したがって、既に国際意匠公報が発行され、新規性が喪失している意匠についてあまり議論する必要がないため、条文をそのまま読めばよろしいのかと思います。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

都内在住の弁理士。平成14年登録。
専門は特許(特にソフトウェア特許、画面UI、システム)。
LECで弁理士関係の講師。

目次